個人的性質の決定要因とその決定関数の考察

わかりにくいタイトルで申し訳ないが、これまで自分が考えてきたことを少しまとめてみたい。

最近実家に10日間ほど帰っていて、昔の友人と会い、家でゴロゴロし、1人でぶらり小旅行に行き、そこで改めてゆっくり整理が出来た。



或る人の能力・性格・価値観・地位・年収など個人的性質は、その人がそれまでに出会った人の個人的性質(C:Character)と、その人と接してきた時間(L:Length)と、そのインパクト(Impact)に相関すると考えている。

数式にすると、例えば、Ci=Σ(C×L×I)となる。

ちなみに、インパクトIは遺伝や環境、自分の興味など様々な要因によって変化し、また時間によって逓減する(逓減の仕方はそれぞれ異なる)。

すなわち、最近のことのほうが自分にとって影響は強い。

言い方を変えれば、「遺伝と環境の相互作用によって人は形作られる」というありきたりなことなのだが。

そのため、自分を変えようとするには主に、接する人(C)を変える、時間の過ごし方(L)を変える、場所を変える(C,L)などの方法がある。

Iは比較的自分から変化させることが難しい。



そう考えると、人生の転機(例えば、大学進学・就職・結婚など)は、その変化自体が重要なのではなく、I,L,Cが変わるため、すなわち、変化によって接する人や時間の過ごし方などの環境が大きく変わるためにその人にとって重要なのである。

一瞬の変化も大きいが、それ以上に継続的な習慣の変化はとてつもなく大きい。

大げさにいえば、どのような人と日常をどこでどう過ごすか、は人生のすべてである。



さて、自分自身が最初の職業を決める際に割と重視していたことの一つに「社会の色んな人と一定以上の密度で接したい」という理由があり、それはある程度は達成出来るが、偏りはどうしても生じる。

自分は2010年4月から経営コンサルティング会社で働き始めるので、顧客と弊社社員と接する時間が激増する。

顧客は、それこそ幅広い業種の方ではあるが、接する相手は大企業の中間管理職〜経営層がメインだと考えられる。

中小企業・ベンチャー非営利団体・大学・公務員の方とはなかなか接点はないし、大企業の現場の社員との接点も限定的であると言わざるを得ない(勿論全く無いわけではない)。

そう考えると、色んな人と接すると言うのはなかなか難しい。



友人の中には、国際機関で様々な国の人と仕事をしている人がいるが、彼女が相手をするのは政府・NPOの人がメインだ。

人材紹介会社で働く友人は、積極的に採用を行う中小企業の社長・採用担当とばかり会っている。

銀行で働く友人は、ある地域の融資企業の経営層にのみ会っている。

これらは、幅広い業種の人と会う職だと一般的に言われているが、実はある種の狭さも備えていることが分かっていただけただろうか。

意外と、美容師や看護婦はそれ以上に多様な職種の人と接している。

しかし、それは髪を切る、病気を治すといった限られたコンテキストの中においてのみである。

地位に関わらず、本当に様々なタイプの人と会っている主婦もいるかもしれない。

すなわち、いくら接する人の幅を広げようと活動的に動いても限界はあるのだ。

自分がどのような幅広さを志向しているのか、考えてみる必要があるのかもしれない。



自分について言えば、先ほど述べたように、仕事では大企業の管理職以上と接することが多くなるのだろうが、プライベートでは今までと同じように、国際関係・科学技術・アートなどに興味のある人とぼちぼち付き合っていけたらと思う限りである。